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人生は舞台…人は皆演技者(シェイクスピア)

会社を興した当時、ベルリーナ会員様を対象とした商品研修会の度に「皆さんは“生き甲斐とか、やり甲斐”について考えたことがありますか?」と質問しておりました。今にして思えばそれは商品の拡販を懸命にしていただきたいという願いがあったからだと思います。
 20代・30代の新婚さんや小さなお子様をお持ちのお母さん方は誇らしげに「勿論家庭です」「私は子供で~す!」「夫です」と恥ずかしげに言う若い女性達もおられました。ところがご年配の奥様方は「そんなこと考えたこともあらへん…」とおっしゃいます。そして、休憩時間を待っていたように「あんたら幸せやなぁ~、子供や家庭や夫やと言っている時が花や。私らぐらいの年になってみ、主人も子供も夜は何時に帰ってくるか分からん。夜テレビ見ながら一人でボソボソとご飯食べてると、あぁ、私は一体何のために苦労してきたんやろ。このまま年取って行くのかな~、と思うと本当に焦るわ…」また、別の女性は「まだ子供が小さくて“ママ、ママ”と、後をついてきた頃が一番幸せやった」と昔を懐かしむような眼差しで、冗談半分本気半分でいうのです。その後、我に返ったように「その可愛らしかった子が今はどうや!学校から帰ってきたら自分の部屋に入ったきり、音楽をガンガン鳴らして、出てきたら腹減った!小遣いくれ!一体誰のために私は頑張ってきたん?何のためにしんどい目してきたと思ってるの…」とため息まじりに愚痴ります。彼女達に「生き甲斐、やり甲斐なんて考えた事もない」と言わせてしまうこの現実を前にして、いつしか私は「女性の生き甲斐とは?人生の生き甲斐とは?」を真剣に考えるようになっていったのです。
 
 周知のごとく私の趣味は映画鑑賞です。
「人生は舞台、人は皆演技者」シェイクスピアの有名な言葉の通りであれば、地球上の全ての人がその人だけのドラマを演じているはずです。
 日本に12000万人の人がいれば、12000万通りのドラマがあります。人が自分だけのドラマの主人公として熱演するのであれば、決して脇役、端役であってはならないのです。生き生きとした素敵な主人公でなければ…。自分にとって一回限りの主役のチャンス!!いい加減に演じれば余りにも勿体ないではありませんか。同じお芝居をするなら明るく楽しく、誰が見ても「感動的で良いドラマね!」と言われるようなストーリーでありたいものです。故黒澤明監督の映画でも有名ですが優れた映画やお芝居にはしっかりした名脇役が欠かせません。あなたは夫や子供、そして周囲の大切な人達の名脇役でなければならないのです。でも、あなたの人生ドラマの主人公はやっぱりあなた!決して子供や夫ではないのです。
 
 妻として母として生きることは素敵なことですが、一人の女性として人間としての生き甲斐・やり甲斐も同時に考えていて欲しいのです。歳を経てから、寂しく空しくならないためにも…『人生は祭りだ、さめて眺めているなんて、自分のリズムで生きてみよう!きっと本物の何かに出逢うから』これは、かつて読んだ本に書かれていた忘れられない一節です。